最近のp4c(テーマ「いじわる」)
p4cの活動を、経験したことのない人に伝わるような方法がないか考えている。今回は、活動日誌的に書いてみる。
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2月24日土曜日
今日のテーマは、「いじわる」。小学1年生の「みずいろ」さんと一緒に考えた。
最初に僕からみずいろさんにこんな手紙を用意していたので、一緒に読むところから始める。
みずいろ さんへ
こんにちは、今日話し合い、聞き合いたいと思っていることについて書きます。 今日、いっしょに考えてみたいのは、「いじわる」です。ぼくが2年生だったとき、クラスのなかでとてもいじわるな子がいました。 ものを隠したり、仲間はずれにしたり、たたいたり、いやなことをたくさんされました。 きらいな人がいるなら、話しかけたり、ちかづいたりしなかったらいいのに、と思いました。 きらいなら、一緒にいないほうがたのしいんじゃないでしょうか。 なかのよい人と一緒に遊んでいるほうが、たのしいはずなのに、と思いました。 とりあえず、最初は、「いじわる」をスタートに、話し合ってみましょう。
毛糸を巻きながら、自己紹介と最近のあったニュースの発表。僕は、最近地元のバレーボールチームの練習に参加したことを話す。メンバーのレベルがとても高かったこと。久しぶりに思いっきりバレーをしたこと。一所懸命に頑張るが上手くいかない、それはそれで面白かったこと。体中筋肉痛で動きが鈍くなってしまったことを話す。
みずいろさんは、最近のことではないが、コマを回せるようになったことを話す。お母さんに教えてもらって、コマが回せるようになったこと。コマをひっくり返して回せるようになったことなどを話す。最近、学校であった発表を頑張ったこと。知ってる人の前でならそんなに緊張しないこと。僕は人と話すと緊張して顔が赤くなってしまって困っていたよ、と言うと、そんなこと自分にはないと言う。緊張して顔が赤くなるのは、漫画の中だけだと思っていたそうだ。
コマ、と聞くと、自分の名前に「コマ」が入っていることを言いたくなり、話す。お互いの漢字を書いて、それぞれの漢字が他にどんな使われ方をしているか言い合う。
それから、今日のお題である「いじわる」について話す。自分の小学校であった「いじわる」の話をして、そのことについての感想を聞くところから。友達と遊んでるほうがよっぽど楽しいのに、どうしていじわるをするんだろうね、と聞くと、「いじめるほうが楽しいからじゃないの」とあっさり。
それから、お互いの身の回りでいじわるをする人を具体的に挙げてみる。4人くらいの名前があがる。それぞれどんないじわるをするのか黒板に書いていくと、種類が色々あるね、という話になる。(悪口を言う、ばかにして笑う、仲間外れにする、など。)
じゃあ、いじわるをする人の特徴を色々と出してみようか、ということになる。
・嫌なことをいう
・たたく
・大切なものをだめにする
・仲間はずれにする
・うそをつく
・いじわるだとわかっていなくていじわるする
・むしする
くらいがあがる。こういう特徴があるけど、どれが一番イヤだろうね?ということでランキングをつけることにする。
1位:大切なものをだめにする
2位:たたく
3位:仲間はずれにする
そこまで順位をつけたところで、「大切なものをだめにする」に何重も線を引いたので、この大切なものはなんだろうね?と聞く。そうすると、大切なものは
・名前
・たからもの
・家族
・友達
・いいくつ
の5つくらいがあがる。名前にこだわりがあるのは、幼稚園のとき、2個下の子にみずいろさんが自分の本名を言ったところ、大笑いされた経験があるからだという。この例は、いじわるをする特徴であげた「いじわるだと自覚していない」パターンに当てはまるとのこと。相手は、名前がみずいろさんにとって、とても大切なものだとわかっていなかったと思う、と話す。
大体ここまでで1時間近くたっていたので、最後にクイズゲームをして遊ぼうかということになる。黒板を消していると、急に「でも、結局言いたかったことは・・・」と言い出す。
結局言いたかったのは、いじわるをしてくる具体的な1人に対しては、同じようにいじわるをやり返している、ということ。それで、相手が「こんなんされてたんならイヤやな、やめよう」と思ってくれたらいいのに、と。分かってくれそう?と聞くと、わからん、と。
その後は、あるものを上から見たらどう見えるかを当てる「上からみたらなんでしょうクイズ」と、特定の単語をごちゃごちゃに組み合わせて書いて、もとの単語がなんだったかを当てる「ひらがなごちゃまぜなんでしょうクイズ」をする。大体10問ずつくらいクイズを出し合って、そこで時間が終わる。
ここには書いていない、通りいっぺんにしてしまった質問がいくつもある。「どうしていじわるをするんだろうね?」とか、「いじわるをする人はどんな気持ちなんだろうね?」とか、「大切に思うってどんな気持ちだろうね?」等々。それらはほどんど空振りで終わった。