p4c(=philosophy for children)スケッチ

p4c(=philosophy for children こどものための哲学)に取り組む「アトリエ はちみつ堂」の活動を通じて考えたことを記録していきます。

名前

p4cを始めた時、相手をどう呼べばいいのか分からずに困った。いきなり下の名前で呼ぶのはやめたほうがいいと思った。

 

以前、仲良くなろうと必死だったときはそのようにしていた。もちろん、その時はそれなりに効果があった。けれど、何年かたって、街で中学生くらいになった彼ら・彼女らに会った時、下の名前で呼びかける自分の表情は強張っていた。

 

子どもたちには、親しみやすいようにとニックネームで呼ぶよう仕向けていた。カタカナ2文字のそのニックネームを彼ら・彼女らが口にすることはなかった。

 

p4cをするときは、1時間限定の「てつがくネーム」を作るようにしている。本名でも、あだ名でも、好きな漫画のキャラでも、色でも、食べ物でも、造語でも、なんでもいい。とにかく、お互いに考えた「〇〇」「××」に敬称をつけ、〇〇さん、××さん、と呼ぶ。

 

そうやって呼び合う時、誰かの名前を呼ぶときにあった緊張がなくなっているのに気づいた。

 

今日のp4cで、呼び名の話がでた。保育園の時は「〇〇ちゃん」と呼んでいたのに、小学校に入ると急に「〇〇」と呼び捨てで呼んでくれと言われた話だった。どうして小学生になると、みんな呼び捨てで呼び合うのだろうか、と1年生の女の子は不思議がっていた。

 

保育園から小学生に、小学生から中学生に、学生から大人、職場、地域の集まり。それぞれの場所で、それぞれの呼び合い方がある。ささいなことだが、その呼び名1つ1つに、人間関係の在り様があらわれているのかもしれない。