手紙(その2)
p4cに参加してくれた4年生の男の子に、こんな手紙を書いた。
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エクスペクトパトローナムさんへ
※「エクス~」はその日のp4cの哲学ネーム
土曜日は、子ども哲学に来てくれてありがとう。
この手紙では、子ども哲学が終わってから、ぼくがもう少し考えて
土曜日は、アイヌの話を聞いて、その後、粘土遊びをしました。ぼ
エクスペクトパトローナムさんは、粘土で何を作るか、みんなで考
子ども哲学がおわったあと、ぼくは、
「文章を書く人は、もともと自分の頭の中にある『書きたいこと』
先生はそう言っていました。
学校で「何か意見のある人?」と聞かれることがあると思います。
こんなことを考えながら、ぼくはこんな「問い」
問い→やってみるまえは、よくわからないことが多いです。でも、
エクスペクトパトローナムさんは、どう思いますか?
それでは、また会うのを楽しみにしています。
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手紙を読んで、もし何か考えたことがあればそれをテーマに次のp4cをやろうということになっていた。
そして次のp4cの時、男の子が教室に入ってきてこう言った。自分はこの手紙を読んで色々考えてきたけど、まずは何も考えずに教室に入って、そこで思いついたことを話そうと思った、と。
とんちが効いた答えだと思った。しかし、本人はしごく真面目で、むしろ色々考えた結果、最もよい考えだという様子だった。
結局、彼が思いついたアイデアから、なぜだか死刑制度の話になって、どうして人は人を殺してしまうのだろうか、とか、死刑にすると、その人が変わってしまうチャンスを奪ってしまうのではないか、人は本当に変われるのだろうか、と思わぬ方向に話は進んでいった。
そうして考えは深まっていき、楽しいと思える。そういう機会は稀であって、有り難い。